大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)1556 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人島岡利二、同島岡明上告趣意第一点について。

本件のごとき銃砲等所持禁止令違反事件の審理においては、必ずしも常に所持の

目的物(本件においては拳銃等)を公判廷において証拠調をしなければ、処罰がで

きないと言うものではない。そして、原判決の挙げている証拠から、判示事実を認

定したことは、肯認し得るところである。論旨は、それ故に理由がない。

同第二点について。

本件犯罪において、犯罪の構成要件は当該法令に掲げる目的物を所持することで

ある。所論「法定の特別の理由がないのに拘わらず」と言う点は、本件犯罪の構成

要件をなすものではないから、証拠によつて認定する必要はない。却つて法定の特

別の理由があることは、旧刑訴第三六〇条第二項にいわゆる「法律上犯罪の成立を

阻却すべき原由」に該当するわけである。従つて、被告人の側から法定の特別の理

由の存在について主張がない限り、原判決のごとく「法定の特別の理由がないのに

拘わらず」と認定しても敢て差支ないばかりでなく、被告人は警察へ届けようと思

つたが届出を怠り申訳なき旨を自供している程であるから、この点に関する原審の

認定に違法があるとは思われない。されば、論旨は採ることを得ない。

同第三点について。

憲法第三八条第三項及び刑訴応急措置法第一〇条第三項にいわゆる「本人の自白」

中には、当該判決裁判所の公判廷における自白を包含しないことは、当裁判所の判

例とするところである。そして、本件には、新刑訴訟の適用がないことは、明白で

あるから、論旨を採用することを得ないのである。 よつて旧刑訴第四四六条に従

い主文のとおり判決する。

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この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 宮本増蔵関与

昭和二四年四月一四日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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